【ファンタジー,堕ち,総受け,新年23】

***1***

12の種族が支配するこの世界では、年に一度、ヒエラルキーが切り替わる日があった。
それは誰にも変えることのできない世界の法則であり、どんな者であろうと逆らうことはできない絶対のルールだ。

とはいえ、種族間の争いになるような横暴は許されてはいない。
そのような場合は翌年、該当者に対し強烈なペナルティが科されるという自然法則があったが、
「シン。命令だよ。早く脱いで」
彼が種族間定例会のため、指定された講堂に入ると同時に、ヒエラルキーの頂点となった卯族のウヅキから理不尽な命令を受けていた。
「おま、…何考え、て…」
強烈なヒエラルキー上位からの命令に身体は言うことを利かなくなり、シャツのボタンを外す。

12種族の中でも、辰と虎は希少種で、特に辰族は全種族で見ても1%いるかどうかの割合であった。
どの種族よりも古来から存在し、圧倒的な強者の存在感を放つ種族であったが、卯がヒエラルキーの頂点となるその年は、序列でいうと前干支となり絶対に逆らえないという種族間の縛りがあった。
「…」
命令のまま、シャツを脱ぎ捨てる。
講堂内の視線が刺さる中、平然と視線を返す彼は強者の自信に満ち、横暴には屈しない強さを持つ。
筋肉質な身体は無駄な脂肪が一切ない屈強な肉体で、艶やかな褐色の肌は辰族の特徴でもあった。脇腹には種族の証である黒い印が刻まれ、ウヅキを睨みつける銀色の瞳は強い苛立ちを宿す。
「てめぇ、来年、どうなるか分かってんだろうな…」
シンの低い声から放たれる脅しに、彼はあざ笑うように軽く笑った。

ウヅキは卯族特有の白髪に赤い瞳を持ち、その見た目はまだ少年のように幼い。
状況を楽しむように教卓に肘を乗せて、彼の肢体を舐めるように見つめる。
「早く下も脱ぎなよ」
「っ…」
驚く彼に対し講堂に会する他の干支族たちは、彼の企みを予め知っていたかのように囃し立てていた。

実際のところ、シンという男は非常に見目が良く、ヒエラルキー関係なくモテる。
女も男も選び放題というレベルの誑しで年中、女性に囲まれていた。
贈り物の数もここ第2区域内において随一の量だ。

彼と寝たいという人物は男女問わず少なくない。
講堂にいる他の干支も我関せずなだけでなく、好奇に満ちた目でウヅキの行動を容認していた。
仮にペナルティを食らうとしても、張本人のウヅキだけだ。止めに入らなくても自分らは関係ないという思いが強い。

「…クソが…」
ヒエラルキー上位に命じられれば逆らえない。
それが絶対の法則で、ズボンを脱ぎ下着一枚になったシンが諦めたように着ていた物を床に放り、投げやりの視線を向けた。
「好きなようにしろ。クズめ。来年、絶対殺すからな。ペナルティなんてどうでもいい」
「残念だけど、そうはならないと思うな」
ウヅキが歩み寄り、唐突に彼の下半身に触れる。
殴りかかる彼よりも先に、動くなと命じていた。

どんな強者であろうと法則の前では無力で、ウヅキが目の前でローションを取り出しても、抵抗一つ出来ずにいた。
「――ッ」
臀部の膨らみにぴったりと張り付く薄い下着を捲り、まるで女性に触るように両手で尻を掴んで引き寄せる。
二人の身長差は10センチ以上はあったが、丁度ウヅキの目の前にシンの首筋があり、甘噛みしながら尻の狭間へと手を滑らせる彼には、全く躊躇いが無く、
「前回、君がヒエラルキーの頂点だった時にずっと思ってたんだよね」
言いながら、冷たいローションを臀部へと塗りつけた。
その感触にビクっと全身を震わせたシンが、心底嫌悪の混じる声音で気色悪い奴と呟いた。
「シンは本当に、根っからの王様気質だね。家柄もいいし、下なんて眼中に無さそう。でも君さ、」
ずぶりと容赦なく指を入れて、
「ぅ…、っ…!」
「女性侍らすより、こっちのが余程似合うよ」
ぐりぐりと強引に中をかき混ぜた。優しさの欠片もない容赦のなさは、ローションの助けもあって容易に中を拡げていく。
すぐに2本、3本と指を増やされ、
「…下賤な奴はどこまでも底辺だな!」
歯を噛み締め怒りの声をあげていた。
「だってさ。どう思う?」
彼の言葉に、ウヅキが講堂を振り返って訊ねる。
「賛同しかねる」
「一度、痛い目に遭ってもらいましょう」
その場に集まっていた数人が声高らかに批難し、
「シン殿は確かに高飛車なきらいがありますね。法則無関係に殿様気質が過ぎる」
卯族以外の干支からもそんな声が上がった。
そして、その直後、
「やはり計画通り犯して1年間、我らの玩具にしましょう」
「ッ…!」
誰かが非情にも、そう言った。

「だよね」
ウヅキが見たこともない残忍な笑みを浮かべる。赤い瞳が歪んだ愉悦を宿し、欲望を露わにした。
卯族の性欲の強さは有名だ。
彼の表情を見たシンの背筋に鳥肌が立ち、抵抗を試みる。本来であれば力で負けることなど絶対にあり得ない辰族だが、世界法則の前では動くなの命令が上位で、心の中でどんなに拒絶したところで両手をだらりと垂らしたまま、されるがままであった。
「ぅ…」
「ウヅキ。手伝うよ」
そう言って歩み寄るのは、ウヅキと同じ外見的特徴を持つ男で、彼よりも一回り背が高い。ウヅキから少年っぽさを取り除き、穏やかさを足した顔は柔和なもので、陽だまりのような暖かい笑みを宿す。
シンの背後に立ち、
「メス堕ちさせよ」
口調の柔らかさとは正反対の無情な台詞を吐いた。

「ゼウ…!お前もかッ!」
シンが犬歯を剥き出しに怒鳴るも、
「ぐっ…」
前と後ろを同時に責め立てられ、無理矢理何かをこじ開けられそうになって言葉を飲み込む。
「あぁ、強情なシン。最高だよ」
反応し始めるモノを片手で扱きながら、ゼウがうっとりと耳元で囁き、
「早く種付けしたい」
卯族らしい台詞を吐いた。

その気色の悪さにぞわぞわと背筋が粟立つシンだ。
異性愛者の彼は、同性同士の性行為など考えたこともない。

ゼウとは普通に会話をする仲で今まで喧嘩をしたこともなければ、特に親しい間柄になったことすら無かった。ウヅキの方がまだ口論で衝突する場面が多く、恨みを買っていたとしてもおかしくないと言える。
突然のゼウからの好意に面食らう以上に不快感の方が強く、
「何が種付けだ!反吐が出るッ!」
歯を噛みしめ罵り言葉を吐き捨てた。
直後、
「ゔ…ぁ…ッ!」
「どの口が言ってるんだろう?」
ぐりぐりと指の腹で先端を擦られ、溢れる液体が指を濡らすのを見せつけるゼウだ。
ビクビクと身体を震わせたシンが彼の胸に支えられるように凭れ掛かる。
「僕、先に入れていい?生意気なシンを黙らせたい」
指で後ろを拡げるウヅキにそう訊ね、彼の赤い瞳が笑みを浮かべるのを見て口角を上げた。
「シンに遠慮なんていらないよね」

入れろコールが講堂に響く中、下着がずるりと引き下げられ、
「っ…!」
全てが聴衆の前で丸見えになる。動揺するシンを他所に、
「シンの処女貰うね」
「…ッ!」
言うと同時に、ウヅキが拡げた状態で待つ後ろへ、何の遠慮も無く屹立したモノをねじ込んだ。

「ぐ…っ、ぅ…う…!」
狭い部分を押し開くように押し込まれた異物が現実だとは考えたくもなくて、ねじ込まれたものを拒絶するように歯を噛みしめる。
「下衆が…ッ!く、そ…!」
ガチガチと歯を鳴らし、呪文のように罵り言葉を唸っていた。
さすがに一発で全てを収めることは出来ず、
「はっ、きっつ…」
途中で止まっていた。
「ウヅキ。片足、持って」
ゼウの言葉に彼がシンの太ももを引き寄せる。
「シン。足あげて。もう少し腰出してよ」
「誰、が、…!」
否定しようとして、身体は勝手に動き受け入れやすいように足を開いていた。体重を支えるように前屈みになり、両手をウヅキの肩に回す。
「――ッ!」
浅ましい自分の姿に顔から火が出そうなほど羞恥を覚え、シンの頬が染まる。これではまるで、自ら求めているかのような体勢だと思い、顔なじみしかいないこの面子にそんな姿を見られているという事実に鼓動が逸る。
「下衆野郎…ッ!」
拒絶する心とは裏腹に、先ほどよりも遥かに挿入しやすい格好で前を扱かれれば、否が応でも身体は緩み、
「ッ…、ぐァ…、ぁ」
飲み込むようにずぶずぶと侵入を許していた。
「あぁ、きつくて最高…」
「気色、わり…。てめぇら、ぜってぇぶっ殺す…」
苦しさから荒い息を付き恨みの言葉を吐くシンは強い眼差しのままで、眉間に嫌悪の皺を寄せ獣のような唸り声をあげていた。
シンの強気な態度に聴衆が沸き立つ。

辰族のシンと言ったら、第2区域では彼の上に立つ者はいないと言われるほど武術に優れ、大会では常に賞を総なめにしている強者だ。他の区域でも名を知られ、衝突の際には彼が緩衝役として仲介するほどだ。
その腕っぷしに加え、弱者には優しく見目も良いとくれば、干支問わず憧れる者も多く、彼がモテるのも当然ではあった。

異性愛者の彼が、男と寝るということは天地がひっくり返っても通常は起こりえない。
それが今やひ弱な卯族にいい様にされているのだから、歪んだ欲が爆発してもおかしくはないだろう。

ウヅキとゼウが顔を見合わせ、互いに悪だくみの笑みを浮かべる。
シンの腰に手を置き、種族の証を撫で、
「君のメス顔が楽しみ」
はぁと熱の籠った息を吐きながら、ずるずると引き抜き、再び奥深くまでゆっくりと押し込んだ。
「ぐっ…!」
「シンはさぁ。本当に男心が分かってないねー。強者故なのかなぁ」
証を摩りながら、くすぐるような挿入を繰り返し、片手で濡れるモノを悪戯に扱う。繰り返される度に中は熱くうねり、ゼウのモノに馴染むように濡れた音を立てながら拡がっていった。

「ン…、ぐ…、」
眉間に皺を寄せ耐えていたシンだったが、繰り返される動作の何度目かの拍子に、
「いッぁ…、うァ、…!」
唐突にやってきた強い刺激に、声をあげた。
「やめろッ!」
咄嗟の拒絶は相手を喜ばせるだけで、
「へぇ。ここかぁ」
弱点を見つけたようにゼウの瞳が細くなった。
トントンと揺するようにそこを集中的に攻め、その度に肩を震わせ、息を呑むシンの背中を眺める。

「ッ…、ぅ…、…」
ゼウは、友人でもないが敵でもない。特に何の感情も抱いていない相手との性行為は嫌悪でしかないが、その気持ち悪さとは裏腹に、ゴリゴリと前立腺を刺激されれば、身体は勝手に濡れ、
「ンく…!…、ふ…っ!」
それは隠しきれない色気となって声に表れていた。

「やばい。キスしたい」
ウヅキがねっとりとした声で言えば、
「抜け駆けはやめろ。まだ僕もしてない」
ゼウがその行為を拒否する。それを笑って、
「今したら噛まれるよ」
冷静な指摘をした。
「それもそうだ」
ウヅキの指摘に同意して、余裕の態度で腰を揺らす。

中が柔らかく解れ、シンの苦情が少なくなっていくのを見て、まるで頃合いが来たかのように唇を舐め、腰を引き寄せた。
「あぁ。シンの背中がエロくて堪らないなー…。一度、中に出すね」
ゆっくりと腰を振りながらゼウがさらりと言った言葉に、
「っ…!…や、めろッ!」
シンが強い声で拒絶するも、外野の出せコールにかき消され、唐突に奥深くに怒張したモノを突き立てられる。
「ッゔ、…ンぅ…っ!」
「…最高…」
中に大量の欲望が吐き出しながら、ゼウがうっとりとした声で呟くのをどこか遠くで聞いていた。
体内で脈打つモノを感じ、男に中出しされた事実に呆然とするシンだったが、それに浸る時間すらなく、
「ンっぅ…、ぁ゙…ァッ!」
一気に引き抜かれ、力が抜けそうになっていた。

ゼウが離れていくと共に、吐き出されたモノが後ろから溢れ落ちる。
震える前は透明の雫を垂らしたまま、中途半端に放置されてイけずにいた。

熱を吐き出したいという欲求を、歯を噛みしめて抑え込む。
「…っ、気が、…済んだか」
快楽を宿しながらも、プライドが残る銀の瞳が強く訊けば、
「何言ってんの、君。これからに決まってるじゃん」
ウヅキがばっさりと否定した。
「っ…」
「君とやりたいの、ゼウだけだと思ってるの?ここにいる全員そうだよ。勿論、僕もやりたい」
「は?」
唐突の爆弾発言に、間の抜けた言葉しか出てこない。

ウヅキに恨まれるような何かしたかと疑問が浮かび、講堂に誰が集まっているのか気になるも、視線を向けることが出来ずに終わる。こんな醜態を晒し、もし好色な目と視線があったら。そう考えるだけで言い知れぬ恐怖を覚えていた。
「さすがのシンも、驚き過ぎて声も出ないかぁ」
ゼウがウヅキに入れ替わるように立ち、
「勿論止めた奴もいたんだけど、彼ら怖気づいて集まりに来てないね」
ニヤリと残忍な笑みを浮かべた。
「あぁ。早く孕ませたい」
「ッ…!何を、馬鹿な…」
「辰族は、単為生殖出来るでしょ?」
「!」
ずばりと言われて驚くシンに対し、ゼウがキスするように唇を近づけ、赤い目をぎらつかせた。
「皆知ってるよ。辰族の特殊な生殖は」
卯族は大人しい見た目が多く、本来穏やかな性質の筈だ。飢えた獣の目をする相手を見て、弱点を握られたように固まる。
「孕みたい相手との行為で孕んじゃうなんて最高だよね」
ちゅっと首筋に跡を残し、ビクっとするシンを見て笑った。

入れ替わるように後ろに立つウヅキが、シンの腰を引き寄せて硬いモノを宛がう。
「ッ…!」
「皆狙ってるけど、絶対に僕の子を孕みたいと思わせるから、シンは安心してね」
謎の自信に満ちた声で言って、易々と熱く熟れた後ろへ自身のモノを押し込んだ。
「ァ゙…ぐ、ッぅ…ぁ」
少年のような見た目に反し、凶器の如く凶暴なブツが一気に奥深くまで入り、中を占領する。
「シン。僕は本当に昔から君が大好きで、誰よりも君を愛してると自負してるよ」
ねっとり絡みつくような声音で歪んだ愛の言葉を囁きながら、ぐりぐりと乱暴な動きで最奥をかき混ぜた。
「ぃ、…ウ、ッぁ…、やめろ、…ヅキ…!」
「あつ…、君の中、すご…」
うっとりとした顔で呟きながら腰を振るウヅキは目も瞠る美少年だが、赤い目を細めて唇を舐める様はゼウと同じく凶暴な笑みで、
「はッ…!っぅ、…、ぐっ…!」
息が上手く出来ないシンを気にもせず、太ももを持ち上げて容赦なく突きあげる。ゼウにしがみ付くような形で乱れた声をあげるシンは、それでも流されまいと歯を噛みしめていたが、ガチガチと震え、抑えられない呻き声は甘く爛れていた。

世の中、気合だけではどうにもならないこともある。
内部を占領する圧迫感に、苦しいだけでない何かが膨れ上がり、唐突に目の前で火花が散るシンだ。
「う…ァ、ンぁア…!」
意思とは無関係に上がってくる快楽に訳がわからなくなり 喘ぎ声を上げる。
突きあげられる度に、中から押し出された白濁のモノが先端から溢れ出て、立ち上がったままのモノからトロトロと滴り落ちては、床を汚していった。
経験したこともないその感覚は自分が洩らしてるのか、射精しているのかも分からず、
「は、…ぅぁ…、っ」
じんわり続く持続的な快楽に脳みそがドロドロに溶かされ、銀色の瞳は一気に惚けて淫らな色へと変わっていく。

日頃はストイックな男が魅せる鮮烈な淫らさは、いくつも刺さる視線をより貪欲な獣のモノへと変貌させるに十分で、囃し立てて男たちは今や鎮まり返って狂宴を魅入っていた。

「はぁ。想像以上にエロいなぁ」
ゼウがいうのと同時に、
「…っ!」
シンの唇を塞ぐ。
「ン…ぅ…、っ!」
ねっとりと絡まる舌が熱くて心地よく、全身が性感帯になったかのように敏感になっていた。首の後ろを触るゼウの手に震え、中を突きあげるウヅキのモノに脳みそが馬鹿になる。
強い快楽に逆らえなくなって、ウヅキがいくのと同時にずるずると崩れ落ちていた。

「そろそろ参加してもいいか?」
傍観者の一人が言いながら歩み寄ってくる。
「いいよ」
「誰が、シンを孕ませられるか賭けてるしね」
ぼんやりとしたシンの耳に、ズボンのチャックを引き下ろす音が響き、
「ほら。咥えろ」
ハッとしたときには強制的に口内へとねじ込まれていた。
「んぐ…、ッ、…!」
「歯を立てられちゃ敵わん。ジャイ。お前もやりたかったんだろ」
もう一人に声をかけ、そうですねと細身の男が応える。
その冷ややかな声に、シンが目を見開く。
「な…、んで、お前ら、…ま、で…」
「嫌がらせ」
シンの口にモノを突っ込んだ彼が野蛮な笑みで言って、喉奥まで一気に挿入した。
「ゔァ、っぅ…、ぅぐ」
嫌悪の塊でしかないモノで口内を穢され、眉間に皺を寄せ不快感を露わにする。そのシンの表情を満足そうに見つめて、
「嫌いな筈の俺の子を孕むお前を見たい。愉快だろ?」
そんな言葉を吐いた。
「ッ…!」
睨みつけるシンの強い眼光も、
「うぁ、っ…!」
後ろに入る三人目のモノで、一気に甘く蕩けていた。
「いい眺めだな」
口内を犯しながら首筋を撫でれば、後ろを締め付け、それが後ろの相手を喜ばせる。
ジャイの細長く冷たいモノが中をうねりながら、良いところを刺激しまくって、
「ぅ…ぐっぁ、…あ゙ァ…!」
シンの頭は何がなんだか分からないほどの激しい快楽に犯され、全身をビクビクと震わせながら喉奥を締めた。
「…っ!」
「これは癖になりますね。まさか、貴方がそんなに快楽に弱いとは思いもしませんでしたけど。これでは、もう女性を抱くことは出来そうに無いですね」
体温の低いジャイの手が淫らに濡れるシンのモノに触れそうで触れることもなく、脇腹を彷徨って焦らしていた。
口内のモノが熱量を増し、
「く…」
彼が果てると同時に、
「ぅ…、っぁ…、……ッ!」
後ろだけでイかされていた。

「ぉえ…ッ、はァ…、っ…ァッ!」
口内に吐き出されたモノを吐き出すシンだったが、苦しさの余り涙を浮かべ鼻を啜る顔は非常にそそる表情で、
「はっ、…ざまぁ、ねぇな、…早漏が…!」
強気に貶す唇は濡れて光り、顎を白濁としたモノが流れ落ちていった。赤く腫れた唇に上気した頬が、彼の勇ましくも精悍な顔を煽情的なモノへと変える。
「ソウシ。いくらシンに興奮したからってそんなに早いと嫌われますよ」
全くいく気配のないジャイがねちっこい行為をしながら、目の前で荒い息を立てる相手を揶揄っていた。
「うるせぇぞ。お前と違って、俺は回数なんだよ。早く替われよ」
「ンん、ゔっ、…!くっ…」
二人の口喧嘩の合間にも、同じ場所を執拗に責め立てるジャイのモノでシンの身体は簡単に熱を取り戻す。
心の中ではいきたくないと何度も念じたところで、身体ばかりはいうことを利かず、
「く、そが…」
罵りながらも後ろから突きあげられれば、だらしがなく先端を震わせ、透明の雫をまき散らしていた。

「てめぇら、…来年…、ッ…、覚えてろ」
霞み掛かる頭で恨み言を吐き、弱く睨むシンだったが、
「今年はまだ始まったばかりだよ。時間は沢山あるからね。一杯ヤろうね?」
しゃがみ込んだウヅキが優しい声で言って、シンの頭を慰めるように撫でた。
「て、め…ッ!そもそも…ッ!…ぃっァ…!あ…、ぅ…ッ!」
ジャイのモノが激しさを増し、文句も途中で止まる。

中で波打つように蠢く度に、何故という疑問も怒りも頭から消えていき、快楽が感情全てを塗り替えるように、思考を埋めていった。
目の裏がチカチカと光り、身体中が馬鹿になって、
「ん…、…っ…、ぁ…ア…」
甘い声と共に、シンの瞳はトロトロに蕩けていった。
「僕の子を産もうね。そしたら永遠に僕のモノだ」
シンのだらしがなく開く唇に触れながら、うっとりと囁くウヅキを銀色の瞳がぼんやりと見つめ返す。

快楽で頭が馬鹿になったシンが恍惚の表情を浮かべるのを見て、いや、俺の子だと聴衆が騒ぎ出していた。それを抑えるように、
「ウヅキ。今、シンを抱いているのは私ですよ」
ジャイが冷静な声で言い、シンの身体を引き起こす。首筋に手を添え足を開かせ、淫らな音を立て欲望を飲み込む様を聴衆に見せつけた。
「ッ…ぅ、…!?」
「誰の子を孕みたいか、決めるのは貴方だ」
震える身体に密着して、耳元でひんやりと囁く。
ジャイの体の冷たさに、冷静さを僅かに取り戻すシンだ。視線が集まる中、あまりにも受け入れがたい姿を晒す。その羞恥に瞳は揺れ、ジャイのモノを更に締め付ける。触れてもいない前は淫らな姿でより貪欲に快楽を欲していた。
「…!…ッ」
後ろをヒクつかせてジャイを喜ばすシンは無意識で、羞恥が限界を超えた淫らな表情は、あまりに刺激的過ぎて獣たちの箍を外す。
「君、見られるのが好きなのか?」
冷えた笑いと共に、耳朶を食み、
「今年もよろしく。シン」
耳元で美声が甘く囁いた。
「うァ…!っぁ…、ンっぅ…、ッ!」
たったそれだけで背筋を震わせ、足先まで痺れるほどの快楽に襲われていた。
冷静な声と不釣り合いの熱気に包まれたその場は異様な興奮に満ち、甘い渦に溺れていく。

シンの甘くも爛れた一年が始まるのであった。



2023.01.01
いつも訪問、拍手ありがとうございますm(_ _"m)!!!今年も更新がんばります〜♪(^^)/

年始から煩悩塗れでお送りです(*^-^*)笑!煩悩は払った瞬間に一瞬で貯まるものでございます(*´q`*)ぐふん!
私の中での男前受け=メス堕ち('ω')絶対!(笑)。
どこが干支やっていう獣大集合的な雑設定です(笑)。卯年の次は辰年ということで、辰と言ったら受け!(^^)!
孕み体質の総受けはぶっちゃけ楽しいです(^^)/ちなみに卵産む設定です(*´q`*)。
今回ね、♡を台詞に付けるか迷いましたが、やり過ぎ感あるので、自粛しました(笑)。文章に♡は普通、使わない、という古い考えの私(笑)。今の時代♡も市民権得てるのかな?(笑)
誰の子孕むかは、…ご想像にお任せ…(笑)。気が向いたら続きを書きまーす(*´w`*)☆彡

少しでも楽しんでいただけましたら…💛➡

Web拍手

***2***

何度も鳴る呼び鈴に、ドアを開く前から来訪者は分かっていた。
扉の向こうには、褐色の肌に強気な目をした男前がビニール袋を掲げて立っている。
「…シン」
「お前、定例会にいなかったろ?新年の挨拶がまだだったからな、来てみた」
まめかと突っ込みたくなり、定例会の噂を思い出す。

何でも反乱があったとかで、実際、何があったのかは大体想像できていた。
ネシの元にもウヅキからの連絡はあったからだ。

『シンを孕ませたい』

欲望丸出しの直球の企みに度肝を抜いたのは最初だけで、ウヅキならやりかねないと思っていた。
「だから行くなって言ったのに」
「分かってたんなら、真剣に止めろ。執行部の辰は俺しかいねぇし、行っちまったじゃねぇか」
特に案内もしていないのにずかずかと上がりこんで、勝手知ったる我が家のようにリビングに向かうシンは、ネシの古くからの友人で、噂通りなら相当の事態があった筈だが、シンの様子はいつも通りであった。
「下手なことを言ったら俺を殺しかねない勢いだったしさ。ウヅキの性格を考えると、どうせあそこで行かなくても次の機会に同じ企みをしたでしょ」
「…そうだな」
持ってきた袋の中からおつまみを取り出してテーブルの上へと並べる。無防備なシンの引き締まった腰を眺めながら、
「で?孕んだの?」
「!」
ネシの素朴な疑問は、シンがテーブルに叩きつけた缶ビールの激しい音で拒絶された。
「てめぇ、うるせぇぞ!俺が孕む訳ねぇだろーが!」
「ふーん…そうなんだ」
つい先日の出来事を思い出したように怒りで眉を吊り上げて息を乱すシンを、ネシの黒い目が他人事のように見つめていた。
それから、怒った様子で缶ビールをいくつか叩きつけるシンに、
「協力してあげようか?」
誘うように訊けば、興味深そうに怒りを鎮めた。
「ウヅキはさ、とにかくシンを孕ませたいんだよ。辰族って一度孕めばその相手と死別しない限り、永遠にパートナーになるだろ?だからさ…」
するりとシンの腰に両手を回し、
「俺の子を孕めばいいじゃん」
簡単なことのように言った。

ぞわっと毛を逆立てるシンだ。
「気色わりーな!親友と寝る趣味ねぇぞ!そもそも男と寝る趣味ねぇんだわ」
相手の肩を強く押し退けて、ネシの手から抜け出す。
「俺も別にお前に突っ込みたいとは思わないけどさ、誰が一番安全って、俺か午族くらいじゃないの?」
「…」
「ウヅキよりはマシだと思うけどなぁ。あの兄弟はちょっといかれてるから」
尤もな忠告に思わず流されそうになって、いやいやと否定する。
「そもそも辰族の孕むっていうのはだな、そう簡単じゃねぇ。寝れば孕む訳でもねぇし、心の底からこいつの子が欲しいって思わねぇと孕まない。だから数も少ねぇんだよ」
「難儀だねぇ」
ぽつりと言って冷蔵庫から昨日の残り物を取り出し、酒の肴を増やす。
「そう思えるまで、寝てみる?」
「…しつけぇな…」
「一応の罪悪感。ウヅキの企み、知ってたけど止めなかったからさ」
「止めろ。何でどいつもこいつもウヅキの策略に乗ってんだよ」
呆れたように髪をかき乱し、ビールを開ける。それを豪快に飲んで、
「まぁ、いい。精々、1年間馬鹿みてぇに腰振ってればいいさ。来年が見物だ」
「君、強かだなぁ」
シンの開き直った態度に呆れながら、乾杯しネシも酒に口を付ける。

あの日のことはよく知らないが、ウヅキにお持ち帰りされたらしいことは聞いていた。
散々やり尽くした後、更にお持ち帰りされてあの兄弟と3Pかと思うと、よくこの平常心を保てるなと感心すらしていた。
自分が当事者だったら恥辱に耐えられないだろう。
シンの根っからの明るさと、動じない図太さは正に辰族らしい強さで、他の干支族がウヅキの企みに乗っかったのも分からなくもない。

シンの矜持を取り崩したい。
そう思うのも無理はないほど、シンはどこまでいっても強く美しい。


酒を飲みながら馬鹿話をして、盛り上がる。
シンにとってはあの事件すら酒の肴で、あいつの何はこうだと言ったどうでもいい情報まで話していた。


「な、今日泊まっていいか?」
飲み始めて3時間もすれば、外はもうすっかりと暗い時分になっていたが、珍しくシンからのそんな頼みごとに、あぁなるほどと推測していた。
「別にいいけど」
「家にいるとストーカーの如く、あいつが来て困る」
予想通りの言葉に笑って、
「だから、俺の子を孕めば?って言ってるのに」
テーブルに散らかる缶を片づけながら言えば沈黙が返ってきて、おやと思うネシだ。
視線を送れば、酔っぱらって上気した顔のシンが頬杖を付いて悩んでいる姿があった。

時間にして数秒か。
「…男に易々と抱かれるほど安くねぇぞ」
「ぷっ」
どこぞの高級娼婦のような言いように思わず吹き出して、
「あのシンがねぇ。男と寝ることに抵抗無くなったかぁ」
「無くなってねぇ!」
怒るシンを慰めるように背中を強く叩く。
「くそ。ろくでもねぇ種しかいねぇ」
「俺は君の味方だろ?」
しれっと言って、ちゅうっと首筋にキスをする。

マーキングの如く、キスマークを残して、
「子族は、手が早いんでね。隙があるなら貰うよ」
シンの身体に触れた。
「ねぇわ!ボケ!」
ネシの手をバシッと叩き落とし、
「風呂借りる。服も借りるから洗面所に出しとけよ」
立ち上がり颯爽と去って行く姿はシンらしい勇ましさがあったが、まだあの事件から1週間しか経っていない。
「…隙だらけだなぁ」
色々と想像させられる背中を見送り、思わず唇を舐める。

それから30分後、風呂から出てきたシンはタオルで髪を乾かしながらの下着一枚の格好で、
「お前の服が小せぇ」
そんな一声を放っていた。
「お前んちに俺の服、置いてなかったか?」
言いながら棚を漁るシンが無防備に背を向けて、半ケツ状態の谷間を見せつける。男の癖に妙に柔らそうなそれは、ぷっくりとした小ぶりのもので思わず生唾を飲み込むネシだ。
「…無自覚なの?」
とんだものを目の前に見せつけておきながら平然としているシンに眩暈がして、これは隙だらけというよりも据え膳だと赤面していた。
何をどうしたらここまで無自覚になれるのかと疑問が沸き、その柔らかそうなモノを両手で鷲掴みたくなる。
シンがどんな反応をするのかと思いながら歩み寄って、素知らぬ振りで棚を探る手元を覗き込んだ。
「下着以外全部捨てちゃった。去年家買ったから、もう俺の家に泊まること無いかと思って」
「はぁ?俺の服を勝手に捨てんな」
「まぁ下着で寝ればいいじゃん。どうせ日頃はパンツ一丁だろ」
「ッ…!」
するりと谷間から下着の中に指を滑らせれば、大げさなくらい過敏な反応で驚きを返し、簡単に柔らかな膨らみを掴むことが出来た。
「ぅッ…、ネ、シッ…!」
「隙を見せるなって言ったろ」
柔らかな臀部は手に吸い付くような触感で、同じ男のモノとは思えない肌ざわりだ。
息を呑んで肩を震わせるシンの反応を意外に思いながら、
「何?思い出しちゃう?」
首筋に唇を付けて揶揄れば、ようやく抵抗らしい抵抗で肘鉄を食らっていた。
「いい加減に、しろッ!」
僅かにずり下がった下着を引き上げ、臀部を守るように両手で押さえて振り返る。
身体に密着する下着はシンの身体のラインをより明確にするモノだったが、そこまで気が回るシンでもなく、
「やっぱ、俺の子を孕んでおきなよ」
間近に迫るネシが真剣な顔で言った言葉に心底、驚いていた。

そうして、
「――ッ!」
するりと太ももから下部の膨らみを撫でられ、らしくもない弱々しい仕草で息を止めた。
いやというほど男に抱かれた身体はすっかりと味を占め、容易に熱を思い出す。そんな自分に動揺したように目を見開いて戸惑うシンの顔は、長い付き合いであるネシですら嗜虐心の煽られる性的な表情で、
「…冗談だよ」
うっかりと長年秘めていた想いを口走りそうになるというものだ。

実際のところ、ネシはわざと真剣には止めなかった。
本質はウヅキと同じ感情で、シンを手に入れる機会を作ってくれたウヅキには感謝すらしていた。

とはいえ今はまだ時期尚早で、無理を通せばシンの腕力には敵わない。
付け込む方法はいくらでもある。
親友というポジションを存分に生かし、じっくりとシンを手に入れるつもりであった。

「はい。これ着て寝れば?」
手を伸ばし、引き出しから大きめの半袖Tシャツを取り出してシンに渡す。
「っ…まじで、性質わりー嫌がらせ、やめろよ」
動揺した自分を強い口調で隠したシンがシャツを奪い取り、裸体を隠すようにいそいそと着る。
サイズは丁度いい大きさであったが、むっちりとした太ももがシャツの裾から見え、ボクサータイプの下着に包まれた臀部の膨らみが余計に淫らさを強調しているということに、本人は気が付きもしない。
「ベッド借りるぞ」
Tシャツを身にまとったことで余裕が出たのか、眠そうに伸びをしながら言った。
そのまま寝室へと向かっていく後ろ姿をネシがねっとりと見ているとは思いもしないシンは、根っからの異性愛者で自分が性の対象になる自覚すらない。
ベッドに上がったシンが四つん這い状態のまま、不精して手を伸ばし掛け布団を引っ張って形を整える。
これ見よがしに柔らかで美味しそうな半ケツを晒しているのであった。



2023.01.14
いつも拍手をありがとうございます!(*^-^*)ノ
シンが大丈夫なのか不安になる方がいるといけないので(笑)、こちらをアップしておきます♪
本当は3日くらいにアップ予定で、例の事件から3日しか経っていない設定の筈が遅くなってしまったです。なのでまぁ1週間に変更しました…。リアルタイムの時系列で行こうかなと思ったんですが、初っ端からスケ遅れです(*´꒳`*)ハハ!
計画?的には月1更新で、来年には孕んでるのが理想(?!)ですが、…(^-^;ウム。実現しないかもしれない…(笑)
次回は「世界〜」を更新予定です♪これまた再掲なのでサクッと更新する予定が、ほぼ全部書き直し状態で、中々進まないレベルでございます…(笑)。もう色々滞ってる感…('_')まぁいっか…!

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